退職金1,500万円・勤続25年のAさんは、手取りが約1,473万円だった。差し引かれた税金は約27万円。同じ会社で5年長く働いた先輩は、同じ1,500万円を受け取って税金ゼロ。27万円の差は勤続年数だけで決まった。

さらにAさんは、年金受取にしていたら毎年の税金と社会保険料で手取りがもっと減っていた。一時金か年金か、受取方法の違いで手取りは数十万円変わる。

退職金1,500万円の手取りは勤続年数でいくら変わりますか?

退職金1,500万円の手取りは、**勤続25年で約1,473万円、勤続30年以上で1,500万円(税金ゼロ)**になる。

退職金1,500万円の勤続年数別・手取り一覧

勤続年数退職所得控除課税退職所得税額合計手取り手取り率
15年600万円450万円約73万円約1,427万円95.1%
20年800万円350万円約55万円約1,445万円96.3%
23年1,010万円245万円約37万円約1,463万円97.5%
25年1,150万円175万円約27万円約1,473万円98.2%
30年1,500万円0円0円1,500万円100%
35年1,850万円0円0円1,500万円100%

勤続30年以上であれば退職所得控除が1,500万円以上になるため、税金は一切かからない。勤続25年でも手取り率は98.2%と非常に高い。

ここまでで分かったこと
  • 勤続30年以上なら退職金1,500万円は全額手取り
  • 勤続25年でも税額は約27万円。手取り率98.2%

退職金1,500万円・勤続25年の税額はどう計算しますか?

Aさん(58歳・製造業・退職金1,500万円・勤続25年)のケースで3ステップの計算を示す。

ステップ1: 退職所得控除額を算出

退職所得控除額とは、退職金から無条件で差し引ける非課税枠のことだ。

800万円 + 70万円 ×(25年 − 20年)= 800万円 + 350万円 = 1,150万円

ステップ2: 課税退職所得金額を計算

(1,500万円 − 1,150万円)× 1/2 = 175万円

ステップ3: 所得税・住民税を計算

所得税: 175万円 × 5% = 8.75万円

復興特別所得税: 8.75万円 × 2.1% = 約1,838円

住民税: 175万円 × 10% = 17.5万円

税額合計: 約26.4万円

手取り: 1,500万円 − 26.4万円 = 約1,473.6万円

当メディアの試算(国税庁・厚労省統計に基づく決定論的計算)によると、厚生労働省の統計で大卒・勤続25〜29年の退職金平均は約1,458万円。勤続25年の退職所得控除1,150万円を差し引くと、課税対象は154万円の1/2=77万円。税額は約12万円で、手取り率は99.2%になる。

ここまでで分かったこと
  • 退職金1,500万円・勤続25年の税額は約26万円
  • 大卒・勤続25〜29年の退職金平均は約1,458万円

一時金と年金どちらで受け取るのが得ですか?

退職金1,500万円の場合、多くのケースで一時金受取が手取り最大化につながる。

Bさん(60歳・勤続35年・退職金1,500万円・厚生年金年180万円)で比較する。

パターンA: 全額一時金

  • 退職所得控除: 1,850万円(勤続35年)
  • 1,500万円は控除内 → 税金ゼロ
  • 手取り: 1,500万円

パターンB: 全額年金(20年受取・予定利率1.5%)

  • 受取総額: 約1,742万円(運用益242万円含む)
  • 税・社会保険料累計: 約250万円
  • 手取り: 約1,492万円

受取方法別の手取り比較(退職金1,500万円・勤続35年)

受取方法受取総額税・社保合計手取り
全額一時金1,500万円0円1,500万円
全額年金(20年)約1,742万円約250万円約1,492万円

一時金なら税金ゼロで1,500万円が即座に手元に入る。年金受取だと受取総額は増えるが、毎年の課税と社会保険料で手取りは一時金を下回る。

退職所得控除の範囲内に退職金が収まるなら、一時金一択だ。

ここまでで分かったこと
  • 退職所得控除内なら一時金受取で税金ゼロ
  • 年金受取は運用益があっても税・社保で手取りが減る

勤続20年で退職金1,500万円を受け取るケースは?

勤続20年だと退職所得控除は800万円。税額は約55万円になる。

Cさん(50歳・IT企業・退職金1,500万円・勤続20年)のケースで計算する。

退職所得控除額: 40万円 × 20年 = 800万円

課税退職所得金額:(1,500万円 − 800万円)× 1/2 = 350万円

所得税: 350万円 × 20% − 42.75万円 = 27.25万円

復興特別所得税: 27.25万円 × 2.1% = 約5,723円

住民税: 350万円 × 10% = 35万円

税額合計: 約62.8万円

手取り: 約1,437.2万円(手取り率95.8%)

勤続20年と25年では税額が約36万円違う。転職を考えている場合、退職時期を5年遅らせれば36万円の資産防衛になる。

ここまでで分かったこと
  • 勤続20年・退職金1,500万円の税額は約63万円
  • 勤続25年まで待てば税額が約36万円減る

退職金1,500万円の手取りを最大化するポイントは?

手取りを最大化するために確認すべきは3つだ。

1. 勤続年数の端数を確認する

勤続年数は1年未満を切り上げる。24年1ヶ月でも25年扱いになり、退職所得控除が70万円増える。退職日を数ヶ月調整するだけで手取りが変わる。

2. 退職所得控除内に収まるか確認する

退職所得控除1,500万円(勤続30年)以上なら、退職金1,500万円は全額手取りだ。自分の勤続年数で控除額がいくらになるか確認する。

3. iDeCo・企業型DCとの合算に注意する

iDeCoや企業型DCの一時金を同時に受け取ると、退職所得控除を共有する。5年ルールを活用して受取時期をずらせば、控除枠を別々に使える。

ここまでで分かったこと
  • 勤続年数は1年未満切り上げ。退職日の調整で控除が70万円増える
  • iDeCo・企業型DCがある場合は5年ルールを活用

まとめ:退職金1,500万円の手取りと最適な受取方法

退職金1,500万円の手取りは、勤続30年以上なら全額手取り、勤続25年で約1,473万円だ。

  1. 勤続30年以上: 退職所得控除1,500万円以上。税金ゼロで全額手取り
  2. 勤続25年: 退職所得控除1,150万円。税額約27万円で手取り約1,473万円
  3. 勤続20年: 退職所得控除800万円。税額約63万円で手取り約1,437万円

受取方法は、退職所得控除内であれば一時金が最適解。退職前に自分の勤続年数・退職所得控除額・iDeCoの有無を確認し、手取りを最大化する受取戦略を立てておこう。